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 韓国ドラマ中心のブログです。ネタバレ内容を含むコメントはあらすじの「きりころじっく3」の方にお願いします。


by kirikoro
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「池田の猪(しし)買い」


枝雀落語大全(22)
桂枝雀 森キヨ子 / 東芝EMI


図書館には落語のCDも、ある。
きょうは枝雀落語大全からの1枚。
舞台はわたしの生まれたところ池田。そんなわけで、馴染みの話である。
最初にきいたのは高校時代の深夜ラジオで仁鶴のやっていたものだった。
仁鶴の、大阪の地(じぃ)の人はこんな風に喋りはるやろ、と思われる語り口に比べ、枝雀は妙なイントネーションの言葉が混じりこんできて、それが魅力となっている。
このイントネーションは他の地方の言葉ではなく、大阪の人間が一生懸命関東の人と喋る時に出てくる、大阪人の思う標準語アクセントなんだよなあ。
それが、枕などによく出てくる、カタイ言葉、たとえば、この噺では、「私の方の責任は完全に遂行されるわけでございまして」「主導権はすべてこちらにあるわけで」などとあいまって、独特の面白みを出している。
まあ、インテリの噺家さんで通ってはったんで、そういうイメージに合わしてだったんかも知れないけれど。
あと、軽妙な動きが彼の魅力なんだけれど、このCDでは聞いていて、動作が思い浮かぶ、ということがそうなかったので、そういう点ではいまひとつの印象だった。
あの動きが甦る噺では、もう、涙が出そうになるんですけれどね。

ところで、これは、落語によく出てくる、何だかちょっとお間抜な男が池田の山猟師のところに猪の肉を買いに行く話なのだけれど、池田は梅田から阪急電車で20分(現在では15分ぐらいになっているかな?)の場所でわたしがこどもの頃からもう、猪のでるようなところではない。(この噺のおかげですごい田舎と思われていることも多々あったもので)
しかし、なのだ。わたしが中学の時、学校帰りに商店街の中の肉屋の前でど~んとでっかい猪が横たわっているのを見たことがある。(繰り返すが、田舎の商店街ではない)
もちろん、いっとう最初に思ったのは「うわあ、池田の猪買いやん!」だった。
冷静に考えるなら、そのころは、能勢あたりを車を走らせていると猪とぶつかった、なんて話があったので、きっとそういう猪が持ちこまれていたんだろう。
でも、その店にわざわざ持ち込まれていた、ということは、きっと、その店はもともと猪の肉が専門だったんだろう、なんて考えたのは、ずっと大人になってからのことである。
あの、横たわる猪の迫力はいまだに忘れられない。
硬そうな毛の感触も、また。
by kirikoro | 2005-09-08 16:42 | 読んだ本・聴いたCDなど | Comments(0)