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 韓国ドラマ中心のブログです。ネタバレ内容を含むコメントはあらすじの「きりころじっく3」の方にお願いします。


by kirikoro
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キム・レウォン主演の「パンチ~余命6ヶ月の奇跡~」見ました


パンチ~余命6ヶ月の奇跡~(펀치)  ☆☆☆☆

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2014~15年SBSの月火ドラマ、全19話(BSジャパン版は全25話)
演出 イ・ミョンウ(ファッション王」「二人の女の部屋」)、キム・ヒョオン
脚本 パク・ギョンス(「黄金の帝国」「追跡者(チェイサー)」「大王四神記(共同脚本)」
出演者
キム・レウォン(パク・ジョンファン役)、キム・アジュン(シン・ハギョン役)、チョ・ジェヒョン(イ・テジュン役)、 チェ・ミョンギル(ユン・ジスク役)、オン・ジュワン(イ・ホソン役)、ソ・ジヘ(チェ・ヨンジン役)
最高視聴率は14.8%(AGBニールセンによる)

これも、1話リタイアしたものの再トライです。
1話だけ見た感じや、”残り少ない人生を愛する者のために捧げる。”というBSジャパンのコピーとは、まるで感じの違う話でした。




俗物弁護士や検事が突然余命宣告を受けて…って聞いたときには、突然善人になる話なんだろう、と思ったのですが、この人、あくどい手法を手放しませんし、正攻法は最後まで全く歯が立ちません。
そもそも、主人公が巨悪に挑むことになったきっかけも、主人公が手術後目覚めないことから、彼が忠誠を誓っていた人物が早めに見切りをつけ、主人公の別れた妻に自分たちの罪をなすりつけようとした事なんですね。
そして、もう一つ、このドラマの面白いところは、話が進むにつれ、主人公の味方が増えるのではなく、敵味方、入れ替わる中でむしろ敵側の人間が増えていくこと。
また、主人公は冤罪を晴らすのではなく、自らの罪は認めたうえで、そこに付け加えられようとしている他者の罪をかぶることを拒否し、彼以上に悪事を働いた人たちを道連れにしようともくろむんですね。
さすが「太陽の帝国」の脚本家さんです。
私は「太陽の帝国」の方が好きなんですが、こちらのドラマの方が、それなりに目的達成感はありますし、主人公の良心がよく見えるので、一般受けしそうな感じ。
でも、反撃の爽快感というほどのものはありませんから、そういうものを求めてごらんになれば、がっかりされることと思います。

検事のパク・ジョンファンは野心溢れる人物。
汚い手を使ってでも成り上がってきたイ・テジュンを命がけで守る右腕です。
そのイ・テジュンは検察総長の座を狙っているのですが、対立候補が一歩リードしている状況。
大統領からその座を決めることをほぼ任されている政府の法務部長官ユン・ジスクもテジュンの悪事を止めたいと思っており、対立候補を支持しています。
ジスクは名門家の出身で、”法はひとつ(相手によって法を捻じ曲げてはいけない)”がモットーの正義派で、不正で自らの地位を上げてきたテジュンが許せないようです。
ところが、ジョンファンが相手候補の家族の弱みを握り、対立候補を辞退させてしまいます。
ジョンファン、結婚して娘もいるのですが、同じく検事の妻ハギョンはジョンファンとは違い、法の正義を守りたいと思っている人物で、ジョンファンのやり方にはついていけずに離婚してしまっています。
彼女はテジュンと対立するジスクを尊敬し、そちらの側の人間って感じです。

そんなある日、ジョンファンの娘が乗ったスクールバスが暴走、大事故が起こります。
幸いジョンファンの娘は軽傷なのですが、子供たちを守ろうと奮闘した運転手が大けがで、しかも彼の運転ミスということで処理されようとします。
ハギョンは自動車メーカーが不良部品を使っていたことが原因だ、と突き止めるのですが、製造当時の自動車メーカーの社長はテジュンの実兄。
テジュン側はジョンファンを先頭にあらゆる手を使って運転手を罪人に仕立て上げようと駆け回っています。
ますますジョンファンと対立するハギョン。

一方、体には何の不調も感じていなかったジョンファンの脳に検診で悪性腫瘍が見つかります。
手術も不可能で、突然、余命6ヶ月と宣告されるジョンファンなのですが、あきらめられません。
いろいろ探し回り、彼の主要を手術できる、という医者が現れるのですが…。

一方、公明正大がモットーのジスクでしたが、彼女の親がジスクの知らないところで彼女の息子の兵役忌避のために手をまわしていたのね。
清潔なイメージの彼女だけに、それが知られればダメージは計り知れず、それを知ったテジュンと仕方なく取引をすることに…。

こんな感じのお話なんですが、このジスクの立場が面白いんです。
自分のあずかり知らないところで起きた出来事から、少しずつ転落していきます。
そんな彼女に、テジュンは恵まれた環境に育ったために今まで不正に手を染めずにすんでいただけだ、と言うんですね。
そして、その言葉を裏付けるように、彼女の転落はとどまることを知らず、彼女の不正を是認する理由は次々と彼女自身によって崩され、それが単なる言い訳でしかなく、彼女の野心がすべてであった、ということが暴かれていきます。
物語の背景には貧乏人対金持ちの構図もきっちりと描かれているんですね。
スタート地点から大差をつけられている、恵まれない立場の人間たちの怨が根底にあります。
同じ作者の「黄金の帝国」もそうだったんですが、古いところでは「バリの出来事」の背景なども思い出すドラマでした。

この脚本家さん、世の中に圧倒的な無力感を持っていらっしゃるように思われるのですが、そんな中で、そこそこのハッピーエンドが描かれていたことがとても面白く感じました。
爽快感は味わえませんが、現実の重さをきっちりと描いた上での一抹の希望は味わい深いものでした。



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Commented by くりくり at 2016-08-20 09:00 x
パンチ、面白かったです!
文句なく星五つでした。
全編にわたって理路整然とした一分の無駄もない構成だったように思います。
最後まで次々と隠し玉が繰り出されてそのたび形勢が逆転したり展開が想定外に運んだりと、その面白さに見ている方もヒートアップしていきました。
この脚本家さんは本当に才能ある方ですね。次回作もぜひ視聴したいです。
フィクションとはいっても、チョ・ドゥルホやリメンバーでもそうでしたから、韓国での法権力の濫用みたいなのは恒常化しているのかもしれませんね。
ちょっと怖い世界でもありました。

パンチが面白すぎて、ほかのドラマがぼやけてしまったので、
いまは皇后的男人をぼんやり見ています。イニョン王妃の男の中国版です。
Commented by kirikoro at 2016-08-23 15:26
くりくりさん、こんにちは。
細かいところにまで気宇配って作られているドラマは見ごたえがありますよね~。
私も、この脚本家さんの才能には、ほんとに脱帽です。
次回作も楽しみですね♪

>韓国での法権力の濫用みたいなの

韓国ドラマを見始めたころはフィクションだろうと思っていたのですが、たまに明らかになる事件で(ナッツリターンだとか、財閥会長が息子の仕返しに暴力団を雇って暴力事件を起こした、だとか)どうやらありえる話だ、と思うようになりました。
いったいなんなんでしょうね~~

私の方は「六龍~」が終わって腑抜け状態です。
「皇后的男人」は名前だけしか知りません。
また、感想など、教えてくださいね。
by kirikoro | 2016-07-26 08:32 | 視聴済韓国ドラマ | Comments(2)