2014~15年のSBS週末ドラマ、全21話(BS11版は全25話)
演出 イ・チャンミン(「リメンバー~息子の戦争」「わが愛しの蝶々夫人」)
脚本 ユン・ヨンミ(「チャンファ、ホンリョン」「太陽の花嫁」)
出演者
ハン・イェスル(サラ/サ・グムラン役)チュ・サンウク(ハン・テヒ役)、チョン・ギョウン(イ・ガンジュン役)、ワン・ジヘ(キョ・チェヨン役)
最高視聴率は10.0%(AGBニールセンによる)
整形美女のラブコメ、といえば映画の「カンナさん、大成功です」をまず思い出しますが、まったく違うお話です。
ハン・イェスルとチュ・サンウクカップルは、美男美女カップルというのは私には疑問ですが(「善徳女王の時にはサンウク、素敵に見えたんですけどね…)、お似合いで、安定感もあるカップルでした。
サ・グムランは結婚8年目の主婦ですが、夫のガンジュンはアメリカ留学に行ったまま、ほとんど音信不通の状態。
そんな彼の家族のため、家事一切から認知症のおばあさんの世話まですべてをこなすグムランです。
ところが韓国に帰ってきたガンジュンにはチェヨンという美人アナウンサーの愛人がいて、グムランに離婚を突き付けます。
傷心のグムランは自動車事故で川に転落。死体は見つからなかったものの、彼女は死んだものとして処理されます。
ところが、グムランは生きています。
他の人だったらとっくに死んでいたものを、不屈の精神で這い上がってきた彼女、全身整形をしてサラと名を変え、人生のリベンジを誓います。
そんな彼女を助けるのはレストラン「神」のオーナーのハン・テヒ。
彼には彼の目論見があって彼女の変身を手助けしたのね。
その目論見とはグムラン夫の不倫相手チェヨンの結婚阻止です。
というのも彼、ずっと兄妹のように暮らしてきたチェヨンが好きなのね。彼女の学費も留学も援助しています。
テヒの計画は整形したグムラン=サラにガンジュンが夢中になるように仕向け、そこでサラが振ることにより復讐、というものだったのですが、ガンジュンに未練のあるサラは夫とやり直したいと思います。
それもいいか、とサラの修正案で計画を進めるテヒなのですが、いつの間にかサラのことが気になって仕方なくなってきます。
ところが、サラがガンジュンの家族に接触する中、グムランの事故は単純な事故ではなく、仕組まれた殺人であったのだ、ということが分かってきます。
しかもチェヨンもその現場にいながら見殺しにしていたのね。
今度こそ、本気でガンジュンへの復讐を考えるサラ。
一方、ガンジュンが社長を務める放送局も傘下に収めるウィナ―グループ会社では乗っ取り計画が進行中です。
それを阻止すべく幼い頃に行方不明になった孫を探す会長のパク女史。
じつはその孫というのがテヒなのですが、彼は行方不明になった時に爆発事故で両親を亡くしているのですが、その時の精神的な後遺症があって名乗り出られない状況なのね。
前半では単純なラブコメ?と思われた話も、後半は乗っ取り計画に対抗する話やガンジュンたちの悪あがきに立ち向かう話、そしてサラが自分らしい生き方と幸せを見つけていく話へと中心が移っていきます。
前半では主役カップルのコミカルなやり取りと、テヒのツンになり切れないツンデレぶりが楽しいです。
ただ、変身物の楽しみの一つ、美女になった彼女に、ブスだった頃の姿が透けて見える、という部分はあまり見られませんでしたね。
ブスだった時を別女優さんが演じているのですが、まったく別の人物にしか見えませんでした。
後半では悪人がますます増えるわけですけれど、この悪人たちがなんだか楽しいんです。
かなりひどい事をする人ばかりなので、腹が立ってもよさそうなものなのに、ちっとも腹が立たないのはキャラにリアリティーがないせいかしらね。
むしろ、次はどんなことをしでかすの?と期待してしまいます。
そんな感じで、ラストも想定通りのところに着地。
取ってつけたような改心をする人物もいて、これまた予想通りって感じでした。
すごくお勧め、という感じのドラマではありませんでしが、嫌な部分も退屈する部分もなく、見ていてまずまず楽しいドラマでした。