ホグの愛(호구의 사랑) ☆☆☆☆
2015年tvNの月火ドラマ、全16話
演出 ピョ・ミンス(「オレのことスキでしょ」「フルハウス」「コーヒーハウス」)
脚本 ユン・ナンジュン(「イケメンラーメン店」「オフィスの女王」)
原作はユ・ヒョンスクの同名ウェブトゥーン
出演者
ユイ(ト・ドヒ役)、チェ・ウシク(カン・ホグ役)、イム・スロン(ピョン・ガンチョル役)、イ・スギョン(カン・ホギョン役)
最高視聴率は1.418%(AGBニールセンによる)
*このドラマのアンケートを設けています。
ご覧になった方々に参加していただけると嬉しいです♪
このドラマ、最初に放送された時には、この人たちが主人公?と見る気にならずにパスしたのですが、ご覧になった方々の評判のとてもいいドラマで、私もGyaOの無料配信に合わせて視聴しました。
評判通り、とても面白く、しかも見ごたえのあるドラマでした。
実は私、チェ・ウシクって、ちょっと情けない感じで、今まで全然興味がなかったのですが、このドラマではとっても可愛くて、魅力的な青年に見えました。
お人好しすぎて間抜けにも見えるホグは、生まれてこの方女性と付き合ったこともない青年。
そんな彼の初恋の人は、高校の同窓生で水泳の韓国代表選手として活躍するドヒです。
ドヒは広告モデルなども務める人気選手ではあるのですが、競技では銀メダル止まり…
そんな2人はある日、高校の同窓会で再会します。
別れる時になって急に、「海を見に行きたい」とホグに言うドヒ。
二人で朝まで海で過ごし、翌日。用があるというドヒを残し、帰るホグ。
そしてそのまま、行方不明になってしまうドヒ。
彼女は実は、すぐにでも捨て去りたい大きな秘密を抱えていたのです…
いろいろな誤解からコミカルな展開が続くのですが、シリアスで根深い問題がだんだん見えて来ます。
でも、最後までコミカルな部分はあくまでコミカル、温かく明るい雰囲気は最後まで続きます。
意外な事実が次々に赤らかになっていくのですが、唐突ではなく、その時になって、それまでに描かれていたことの意味が明らかになる、といった感じ。
シリアスな問題の方も、切れ切れに描かれていたものがひとつにまとまり、最終的に、はっきりとした姿を現すんですね。
そして、登場人物たちの成長もしっかり描かれています。
とても練られた脚本だと思いました。
もう少しあらすじを書くと
ドヒは実は妊娠していて、海の町には堕胎手術を受けるために行ったのですが、結局実行することができず、子を産む決心をします。
そして、出産間際の姿でホグと再会します。
成り行きで彼女の出産に立ち会い、彼女と子供を隠すことになるホグ。
そのホグは二人の同級生のガンチョルがドヒと話しているのを聞いてガンチョルが子供の父親だと思い込みます。
しかもホグは高校時代、ガンチョルとドヒは付き合っていたと思っています。
ガンチョルは高校時代から成績優秀で司法試験に最年少で合格し、現在は無敗神話を更新中の弁護士で家もお金持ち。
パーフェクトと思えるスペックですが、性格には相当難があります。
人の気持ちが全く分からず、裁判においても同情心など一切ありません。当然友達もいないのね。
そんな彼と何としても結婚に持ち込みたい、と奮闘しているのはホギョン。ホグの双子の妹です。
男性心理を知りつくした心理学者のホギョン、どんな男も思いのまま…だったはずなのに、ガンチョルにはまるで通じません。
でも、ガンチョルでないとダメみたいで、何度撃沈してもあきらめずにアタックを続けるホギョン・・・
じつは彼女、高校時代からガンチョルのことが好きだったみたいなのね。
誤解に誤解を重ね、複雑化していく4人の関係です。
このガンチョルを演じているのは2AMのイム・スロン。
彼、他のドラマでも何度かお目にかかっていて、ちょっと演技力には不足なところのある人だな、と思っていたのですが(失礼!)、このドラマでは演じるキャラとの相性がよく、コミカルな部分が彼が演じることにより増幅されていたようにも思いました。
その他の、脇を固めるキャラもそれぞれとてもよくて、特に主要人物の親たちにも、笑わせられたり、ほろっとさせられたり、と見ごたえがありました。
ラストに関しては、社会問題的な部分がすっきりとは解決していないため、もしかしたら、消化不良な感じを覚える方もいらっしゃるかと思います。
でも、ドラマ的には解決することより、一歩前に出たことが重要だと思うんですね。
もし、ここでその問題まできれいに解決してしまっていたらきっときれいごとで終わってしまったように思うんですよ。
そんな感じで、私はラストもとっても満足でした!
心の温かさがとっても胸にしみるドラマでしたよ。