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 韓国ドラマ中心のブログです。ネタバレ内容を含むコメントはあらすじの「きりころじっく3」の方にお願いします。


by kirikoro
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キム・ヒョンジュ、チュ・サンウクの「ファンタスティック〜君がくれた奇跡〜」


ファンタスティック〜君がくれた奇跡〜(판타스틱)   ☆☆☆
キム・ヒョンジュ、チュ・サンウクの「ファンタスティック〜君がくれた奇跡〜」_d0060962_06465984.jpg
2016年JTBCの金土ドラマ、全16話(BS-TBS版は20話)
演出 チョ・ナムグク(「追跡者<THE CHASER>」「黄金の帝国」)
脚本 イ・ソンウン(「悲しき恋歌」「恋するハイエナ」)
出演者
キム・ヒョンジュ(イ・ソヘ役)、チュ・サンウク(リュ・ヘソン役)、パク・シヨン(ペク・ソル役)、ジス(キム・サンウク役)、キム・テフン(ホン・ジュンギ役)
最高視聴率は2.682%(AGBニールセンによる)

大根役者のトップスターと、ガン宣告されたドラマ脚本家の恋愛と、彼らを取り巻く人たちの物語。
いわゆる”余命もの”なのですが、最近は余命○○月といっても、○○月ちょうどで死ぬわけではない、という知識が行き渡ったせいか、明るいタッチのドラマが多いですね。
このドラマでも、余命わずかな可哀相な人の話を描くことが目的ではなく、誰もが迎える死を前に、いかに生きるかを考えるドラマとなっていると思います。
人間は誰でも死を迎えるわけですし、最近では”終活”という言葉もあるように、誰もが人生の終りをいかに迎えるかを考えるようになっている時代。
このドラマの扱う死も、特殊な死ではなく、死の宣告もまた、むしろ悔いのない人生を送るチャンスとして描かれていると思います。

*このドラマのアンケートを作りました。
ご覧になった方々に参加していただけると嬉しいです♪






”誰にでも来る死”という意味では、ストーリーの構成上、ヒロインの担当医が、非常に重要な位置に立っていた、と思います。
彼自身が死の宣告を受けているのですが、宣告から5年の年月がたっているんですね。
主人公にとって、先の道を示す先輩であるのと同時に、主人公の周囲の人たちが主人公のこれからの日々をいかに受け止めて行くべきかを教えてくれる存在にもなっています。
年老いての死では、周囲に誰しもが先輩がいて、そんな方々から多くのことを学ぶものなのですが、若い時に訪れる死でもやはり、そのような存在が欲しいですよね。

味があって、静かなんですが存在感のあるこのキャラを演じているのはキム・テフン
こういう役はやはり、彼のような演技派でないとこの味は出ないだろうな、と思いました。

主人公たちのラブラインは、12年前の、付き合い始めて間もなく、男性主人公がひどい裏切りでヒロインの元を去っているのですが、お互いに気持ちは残っており、男性主人公がやりなおそう、と動き出すところから始まります。
じつは、この別れの原因を作ったのが男性主人公の所属している芸能プロダクションの社長。
彼女、男性主人公の弱みを掴み、彼がそうせざるを得ないようにしたのね。
その上、物語は始まって間もなく、合併により、ヒロインも配下におくようになり彼女に嫌がらせをし、男性主人公は自分の思い通りに動かそうとしています。

ところで、この社長の弟である弁護士の元にヒロインの高校時代の親友ソルが嫁いでいます。
こんな小姑だけでも辛いのに、それに輪をかけた姑、浮気者で彼女のことをちっとも守ってくれない夫。
こんな家庭で友人は奴隷のように働かされ、人格を否定され、ひどい状態に置かれています。
そのソルと偶然知り合い、既婚者とは知らず、心をときめかせる男性が…
こんな感じで、ヒロイン友人にもほのかな恋が訪れ、彼女の人生もまた、再生に向かって進み始めます。

私自身は、主人公たちの恋愛や、友人の恋愛の行方より、ひどい一家が最後にどれだけ悲惨な目に遭うのかを楽しみに見ていました♪

この、ずっとやられてばかりだった一家と主人公たちは正面対決をすることになるのですが、主人公カップルが対決に踏み切れたのもまた、ヒロインの病気が関係しているんですね。
病気がなければ、不満に思いつつも先送りにしていたかもしれないもろもろの事も、今を逃せば二度とチャンスは巡って来ないかもしれない、という思いが彼らには逆に力となっています。
誰しも、もっといい時期が来たら…と先送りにしてしまう事柄があると思うのですが、実際のところ、多くの場合はもっといい時期なんてずっと来なくって、そのまま時間だけが過ぎてしまうものなんですよね。

また、”もっといい時期”という幻にしがみついていると、ヒロインにとっての恋愛はすでにチャンスを逃がしてしまった、と見えてしまうかもしれません。
ヒロインもまた、最初はそう思ってしまったようですね。
未来が考えられないばかりか、人の力を借りずに生きていたという自負のある彼女ですから、闘病に巻き込む込んでしまう恋愛になかなか踏み込めない気持ちもわかります。
でも、何が一番大事かが明確になると、自ずと選択は変わってきます。

”今日が人生最後の日と思って生きろ”とはよく言われる言葉ですが、こういうドラマを見せられると、自分の人生について考え直すきっかけになりますね。

こんな風に書いていると、なんだかシリアスな雰囲気のドラマみたいですが、実はこのドラマ、ユーモラスな部分のとても多く、楽しさを優先しているんですよ。
そのユーモラスで明るい雰囲気造りに一番貢献しているのは男性主人公なんですね。
トップスターなのに演技力がなくて、そのことを自分でも重々承知している、という役どころなんですが、この大根演技が最高!
あんまりうますぎて、一瞬ほんとに大根役者なんじゃないか、と思えてしまうほどでした。
その上、自己愛が強くて、いろいろとおかしな言動をしてくれるんですが、憎めないキャラ。
それに、なにより、ヒロインのことが大好き!というのが端々から伝わって来るし、献身的にヒロインに尽くす人物なんですね。
チュ・サンウクの、こういうちょっと情けない系のコミカルな人物って、ほんとに嵌り役だと思います。



ラストまで、まずまず面白く見て、結末もだいたい納得だったんですが、ただ一つ…
ひどい一家、特に事務所社長の結末が、甘かった感じがして、ちょっと不完全燃焼でした。
あと、ソル夫の浮気相手の国会議員もきっちり落とし前をつけてほしかったな、と思います。
彼女、夫と不倫していながら、ソルをバカにしたばかりじゃなく、平手打ちまで食らわしていましたからね!

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Commented by なお at 2018-01-05 17:02 x
kirikoroさん、こんにちは。
弁護士・サンウク役のジスくんが気になって視聴したこの作品ですが、前半はソヘとヘソンの恋愛が堂々巡りだったり、ソヘの友人・ソルの婚家での境遇が悲惨で、視聴中断しそうだったんですが、ソヘの主治医であり病気に対する指南役のキム・テフンさんがいい役割を果たしていたので、最後まで見ることができました。
 ソヘは病気と恋愛に対する向き合い方を、ソルは自分との向き合い方を通して、友人たちも巻き込みながら、「生き方」についてシリアスになりすぎず描かれていて、重いテーマを見やすく扱っている良い作品だったと思いました。
 ラストに関しては、ソルの婚家の人たちや夫の浮気相手は、ソルに対してかなりひどい仕打ちをしていたので、私も「ちょっと甘いかな?」と思いました。BSの20話バージョンを視聴したんですが、個人的には、ちょっと長く感じたので、16話ぐらいの方がテンポよく見れて良かったかな。
Commented by kirikoro at 2018-01-07 06:59
なおさん、こんにちは。

私も最後まで見続けられたのはキム・テフンさん演じる主治医のおかげかな?

>ソヘは病気と恋愛に対する向き合い方を、ソルは自分との向き合い方を通して、友人たちも巻き込みながら、「生き方」についてシリアスになりすぎず描かれていて、重いテーマを見やすく扱っている良い作品だったと思いました。

その通りだと思います。

私も20話バージョンで見たのですが、私は1話が長いとだれるので、この方が見やすかったかな?と思ったのですが、もっとカットして16話カット版ぐらいでよかったかもしれませんね(汗)
by kirikoro | 2017-12-29 07:00 | 視聴済韓国ドラマ | Comments(2)