SBSの秋夕特集ドラマ 全2話
演出 ぺ・テソプ
脚本 コ・ユニ
出演者
ハン・ジヘ(キム・ハヨン)、キム・ドンウク(ク・ウラム)、チョン・ヨンミン(ク・スンニ)、キム・ドンヒョン(ハヨンの父)、ムン・ヒギョン(ハヨン母)チェ・ハナ(ハン・ギョンウン)他
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脚本家は映画の脚本を書いている人のようですね。
語りすぎないことにより、余韻を持たせたストーリーに仕上がっていると思います。
秋夕の、家族愛がテーマで、主人公が視覚障害者のドラマだと聞くと、主張が先走った道徳的なお話かな?と思って、あまり期待せずに見始めたのですが、押しつけがましいところの一切ないドラマでした。
簡単に言えば、視覚障害者の中学の先生と、その生徒の一人の父親が、その娘をめぐり、対立しながらも理解を深めて行く話。
ハン・ジヘとキム・ドンウク主演なので、ラブストーリーも期待したいところなんですが、最初の部分では期待薄かな、という印象なんですね。
だけど、家族愛を描きながらも、いつの間にか始まっているラブストーリー。
全体としてはラブストーリーに仕上がっていると思います。
役者さんは普通、視線で感情を表すことが多いと思うのですが、このヒロインは視覚障害者。
相手と視線を合わせないまま、相手への感情を表すけっこう難しい役柄なのではないかと思います。
それをとても自然に演じられていて、本当に見えてないんじゃないか、と思わせられるぐらい。
やはりハン・ジヘさん、うまい人ですね。
他の出演者たちもみな、その役柄を細やかに演じていて、リアリティーを感じるドラマでした。
地味ではありますが、2話と短いですし、見て損はないドラマだと思います。
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視力を失いながらも、人一倍努力して中学の先生となったキム・ハヨンは赴任校で、問題児のク・スンニとぶつかることになります。
期末試験を全科目落書きだらけの白紙で出したスンニ。
ハヨンは保護者を呼びだすのですが、やって来たのはハン・ギョンウン。
スンニの父親のガールフレンドのようです。
それでも諦めず、父親を呼ぶハヨンにようやくやって来たのはハヨンが採用試験の時に助けてくれた警察官。
試験に向かう途中、地下鉄の駅で人混みの中で押され、盲導犬とはぐれてしまったのね。
その彼女を試験地まで送ってくれたのがスンニの父親のウラムです。
中学生の娘がいるにしては若すぎるウラムなのですが、彼、17歳の時に父親になっちゃったのね。
父親としても、なのですが、警察官としても、あまり立派とは思えないウラムです。
スンニの方はウラムの兄夫婦に育てられたらしく、ウラムのことは父と呼ばず、おじさん、と呼んでいます。
そんなある日、スンニが遺書を残して家出。
ハヨンとウラムは喧嘩しながらもスンニを探し始めます…。
娘のことなど関心がないのだろう、と思われていたウラムは娘がいなくなったことに半狂乱になり、スンニにあたり散らします。
そうして、行動を共にするにつれ、見えてくる彼の娘への愛情…。
一方、人一倍努力家で完璧に見える彼女も、親に対する申し訳なさに苦しみ、自分に障害があるために多くのものを諦めて自分の方から壁を作ってしまっている、ということが徐々にウラムに見えて来るのね。
少しずつ理解して行く二人。
そして、二人はスンニの行方を追って行くうちに彼女のこともだんだんと理解して行きます…。
こんな感じのお話です。
ラストもほのぼのとしていて、素敵な結末でした。
全体的に落ち着いたトーンのお話で、2話構成と短かったのもあり、視やすかったと思います。
ハン・ジヘさん、ちょっと苦手なタイプの方なんですが、特殊な役を上手に演じていらっしゃったと思いました。
視覚障害を持った方が学校の先生・・・授業はどうするんだろうとちょっと考えましたが、実際にいらっしゃるのでしょうか。
全体的にあまり説明的ではないところが、かえってよかったと思える作品だったと思います。登場人物たちの心の動きや移り変わりが少しずつ感じられるところに、脚本や演出のかたの力も感じられるんですね。
そういえば、そうだな、と思って調べて見たら、今年の前半、日日ドラマに出演されていたんですね~~。
ノーチェックでした。
>登場人物たちの心の動きや移り変わりが少しずつ感じられるところに、脚本や演出のかたの力も感じられるんですね。
ほんとに、派手さはないですが、佳品ドラマでした!
視覚障害の先生ですが、確認が取れなくて、記事にはしなかったのですが、韓国人の方のブログにはヒロインが努力して先生になる過程は実話に基づいている、と書かれていました。
日本でも、全盲で教員試験をパスして実際に教壇に立たれている方がいらっしゃるようですよ。
大変な道のりでしょうに、ほんとに頭が下がります。