2014年tvNの金土ドラマ、全16話
演出 ソン・ヒョヌク
脚本 チュ・ファミ
出演者
ハングル(チュ・ジャンミ役)、ヨン・ウジン(コン・ギテ役)、チョン·ジヌン(ハン・ヨルム役2AM)、ハン·ソナ(カン・セア役)、ホ・ジョンミン(イ·ドンフン役)、ユン・ソヒ( ナム・ヒョニ)
結婚執着女と独身主義男の偽装恋愛?
ヒロインのジャンミはホテルの一室を飾り、万全の準備をして恋人ドンフンにプロポーズ。
でも、結婚する気なんてさらさらなかったドンフンはひたすら逃げ回ります。
でも、ドンフンが結婚から逃げようと思っているなんて、信じたくないジャンミはひたすら彼を追いかけ、とうとうストーカーとして訴えられてしまいます。
一方、母に強要され、同じホテルで見合いをしていたドンフンの友達のギテは、助けを求められ、それに割り込みます。
何度かドンフンを助けることになるギテなのですが、ギテの母は誤解により、ジャンミのことをギテの恋人だと思うのね。
母親から住んでいるマンションを追い出されそうになったギテはジャンミを説得して、偽の恋人を演じることになります。
ジャンミはストーカーとして訴えられるほど、とんでもない行動に出る女なので、自然にしていても母親が諦めるだろう、と思って話を持ち掛けたギテなんですが…。
こんな感じで、ぶっちゃけ、偽装恋愛のはずが本気になって…と良くあるパターンなんですが、そこに至る過程がユニークで、オリジナリティー溢れる脚本ですね。
そして、人間について深く掘り下げて描いているのもよいです。。
けっこうドタバタなんですが、演出も脚本もよくって、上質なラブコメディーに仕上がっていたと思います。
最高視聴率も3.3%(AGB)と、ケーブルドラマではヒット作と言える数字ですね。
中心のラブストーリーはその後、ヒロインのジャンミは、元彼と別れた後、別の男ハン・ヨルムと付き合い始めることになるのね。
また、ギテの方には近くに元カノで、今は友だち関係になっているセアがおり、この4人で四角関係を繰り広げることになります。
そして、ジャンミの元彼のドンフンは、ジャンミの友達のヒョニとの恋愛話が始まります。
そして、次第に主人公二人の心の傷にも話は及びます。
極端な生き方を選ぼうとしている二人なんですが、心理的な裏付けがあってのことだ、と分かるように話が展開するんですよ。
ドタバタラブコメなので、ヒロインの巻き起こす騒動をうるさく感じる人もいるかもしれませんが、次第にヒロインの気持ちに寄り添うことができるんじゃないかしら。
最初から全体を見渡したうえで描かれている、しっかりとしたストーリーがよかったです!
話のメインはこの6人が絡まり合ってラブストーリーを展開するのですが、主人公たちの両親も恋愛において重要な役目を担っています。
ジャンミの両親も、ギテの両親も、どちらも実質破たんした関係なんですね。
彼らの姿を見て、子供たちが教訓を引き出すこともあれば、親の方が子供たちの影響を受け、自分の生き方を考え直したり、とこちらも細やかに描かれています。
そして、どの人物も速度に遅速はありますが、それぞれ人間的に成長していきます。(ただしギテの父親以外…)
ところでこのドラマは、ドラマの枠組みと言うか、ドラマ的価値観を打ち壊しているようなところがあるのね。
ラブコメって、使い回した素材でも、主人公たちが好きだとそれだけで楽しめるんですが、このラブコメにはプラスαがあると思うんですよ。
たとえば、ヒロイン友人がヒロインをストーカーで訴えるまでした元彼と一夜を共にするのですが、ヒロインは元彼の所に、そのことで怒鳴り込みに行くんです。
視聴者から見て、この男最低じゃない?と思う男なんですが、ヒロインが怒鳴り込みに行ったことを知った友人はヒロインに対して怒るんですね。
自分にとってはチャンスになるかもしれなかった出来事がヒロインが怒鳴り込んだことによって火遊びになっちゃった、みたいなことを言うんです。
ここで私、ガツンとやられました、
わたし、それまではヒロインと一緒になって、ひどい男!と思っていて、ヒロインが怒鳴り込むのも当然だと思っていたのに、この一言で、それもそうだ、と思わせられたんです。
ヒロイン友の言葉を聞いても、やはり元彼はいい男だとは思えないけれど、それは自分の価値観に過ぎないんですよね。
友人にアドバイスするところまではOKだけれど、ぶち壊す行動をする権利はないのよね、と…。
またこのヒロイン友人自身も、自分がお金持ちを狙っている事を認めながら、ヒロイン元彼に近づいているんですが、このドラマはそのこともまた、一つの立場と認めているように見えるんです。
私も、若い頃には恋愛に打算が入るのは不純だ、などと思っていたのですが、年月を重ねた後に思えば、すべての恋愛はどの時点かは違っていても、打算が入って来るのは当然のことだと知っていますからね。
だけどこのドラマは、そこに留まらず、結婚したからといってそればかりに頼れない、と自ら投資して働く彼女の姿を見せることにより、それだけに終わらない女にしているのも見事だな、と思います。
ともかく、このドラマではドラマの中では常識と思われてきた価値観が次々に壊されて行くのが楽しみでもありました。
それでいて、キャラの性格と行動が一貫してブレないんですね。
思い付きで登場人物を動かしたりするような脚本とは違い、最初から最後まで見通した、よく練られた脚本だと思います。
構成については、各話の最初に、その回のラストあたりに来る印象的な場面を持ってきているのね。
何がどうなって、そういうことになるの?と思わせられたり、いざその場面になると、実はミスリードさせるための演出で、最初に思っていたのとは違う意味を持つ場面になっていたり、と楽しめるんですよ。
途中からは、その裏切られ方を期待しつつ、自分なりの予想を立てるのですが、なかなかパーフェクトには当たりませんね。
毎回、今度はそう来たか!と唸らせられました。
男性主人公役を演じるヨン・ウジンはよく知られている作品では「烏鵲橋の兄弟たち」の末っ子を演じた人なんですが、この時はまだまだ開花前って感じかな?
とてもマイナーなドラマなんですが、私は、4話完結の「普通の恋愛(お勧めです!)」の繊細な感情表現で注目した人でした。
このドラマでも繊細な心の動きを、表情できっちり表現しいたと思います。
ドタバタラブコメなので、オーバーなリアクションもこなしつつ、繊細な表現がなされているところも、このドラマの見どころの一つですね。
ヒロインのハングルは、歌手として活躍されている人のようです。
ドラマでは「スキャンダルや「私たち、結婚できるかな?」に、出演している人ですね。
その他、1話完結ドラマでは主役級で出演されているのを見ているのに、全く印象になかった人なんです(汗)
彼女の演技についてはまだ未知数かな?と思うのですが(もしかして、演出でカバーされている?)このドラマでは、彼女が可愛くって!
それにドラマにもぴったりでしたね。
ドタバタだし、トイレネタなどもふんだんにあるのにうんざりしないのは、彼女の上品な顔立ちによるところもあるのかな、と思います。
それでいて、ぶっ壊れるところは思いっきりぶっ壊れるし、笑顔はキュートだし。
ハン・ヨルムを演じたチョン・ジヌンは2AMのメンバーだそうですね。
ドラマは「ドリームハイ2」に続き2作目の出演のようですが、演技力は正直まだまだかなあ。
でも、演じるキャラがちょっと王子様キャラなので、あまり気にはなりませんでした。
女性ライバル役のハン・ソナはガールズグループのSecretの人のようです。
ドラマでは「花を咲かせろ!イ・テベク」「神の贈り物-14日」に出演していますね。
そして、ラストの感想です。
多少ネタバレ気味ですが、重要なところは具体的には書いていませんので、今回はこのまま書きます。
実のところ、ドラマの一番の山は15話だったかな、と思うんです。
ギテの幼いころの記憶が、ギテの思っていた物とは違っていた、というところから、ギテはジャンミのことを、母に似ている、と思うようになるんですね。
以前、ジャンミがセアにギテ母に似ている、と言ったことがあったギテ母の姿は、相手を支配する母でした。
特に序盤の母親は2人の恋愛に反対するモンスターな母としか見えませんでした、
ところが、彼女が支配的に見えるようにふるまうには大きな理由があったんですね。
どんでん返しの多いこのドラマの中でも、最大の反転はここじゃなかったかな、と思います。
キャラに全くブレの無いまま、ギテ母の一番の行動の動機を理解するギテの姿が描かれ、もう、ここは涙が思わず流れてしまいました。
でも、こんな風に最終話を待たずに感動してしまっちゃうと、ラスト1話、最後まで集中力を保って見られるか、という心配もありました。
このところ、最終話でがっかり、なんてことが多くて、よけいにドキドキして見ていたんですが、最後まで期待を裏切らない脚本でした!
まず、恒例のオープニングのシーン。
結婚式を前に、今にも分かれそうな二人の姿が描かれます。
でも、今までさんざんミスリードされていますから、今回も結婚をやめようと言っているんじゃないだろうな、とは予想がつきます。
とはいえ、最終話も見どころがいっぱい!
最後までドタバタで、ハラハラさせられました。
ジャンミが吐き戻すシーンがあったので、最終話の大問題はジャンミの妊娠?と思ったのですが、これは大外れ。
単に気分が悪くなっただけのようでしたね。
妊娠はセアでした!
しかも、そのことを結婚式の直前にジャンミに話すのね。
セアって以前、体外受精でギテの子が欲しいと言っていましたから、当然ジャンミはギテの子じゃないかと疑います。
ジャンミは黙っていられない性格ですから、結婚式の最中にその話を持ち出し、結婚式の続行が危ぶまれる事態に!
その上、ギテの方もまた、ジャンミに不信を持ったままでの新郎入場ですから、ただならぬ不穏な空気!
この二人ですから、すんなりと結婚されたらそれこそ、肩透かしの感は否めませんよね♪
そして、主人公たちの親の問題もいい感じで纏めた感じがします。
ジャンミの両親に関しては、擦れ違いが重なった上での不仲ですから、この二人のハッピーエンドは悩むところが無いです。
しかし、この夫婦より問題なのはギテの両親。
ギテのお父さんって、このドラマの中では唯一、同情する余地のない人として描かれていると思うんですよ。
外見を取り繕うためにだけ、妻が必要で、ふだんは愛人と楽しくやっている男…。
それだけでもどうかと思うのに、あろうことか、ギテにも自分のように生きるのがいい、と本気でアドバイスする父なんですね。
ドラマ的にはこの男が改心して夫婦関係の修復が王道かと思うのですが、現実的には改心なんて信じられないし、もし仮にそれが可能だとしてもギテ母にとってそれは幸せの事なんだろうか、という疑問が残ってしまいますよね。
だけど、このお父さんにはひどい目に遭って欲しいというのが視聴者の外せない望みだと思うんです。
この二人をどう収めるか、にも、期待しながら迎えた最終回でしたが、この結末もまた、言う事のないものになっていました。
このお父さんを演じるのはキム・ガプス。
冷酷な悪役などで登場することの方が多いかと思うのですが、私はこのドラマのキャラのように、この人の演じる、そこはかとなくユーモラスなところのある情けない人が大好物。
こちらもまた、たっぷり楽しめました。
その他の助演陣にはキム・ヘスク、イム・イェジン、パク・ジュンギュなど、演技派がそろっており、ドラマを底から支えていた感じです。
最近は面白いラブコメが多いんですが、その中でも断トツに面白い作品でした。
登場人物も地味目だし、予告編を見ても全く心を動かされることのなかったドラマでしたが、念のため、と見始めたのが大正解!
機会があれば、ぜひご覧になってください♪
ただ、日本での無料放送のことを考えると、実は大きな心配事もあるんです。
以前はケーブルテレビのドラマって、地上波のものより短いものが多かったのに、最近は逆転していることが多いのね。
このドラマも、1話が正味、65分ほどあります。
最近は話数を増やして放送することも多いのですが、このドラマの場合、1話ごとの構成がいいですからね。
これが崩れるとどうかと思うし、4分の1以上のかっととなると、それもまた残念なものになってしまうような気が…。
ノー―カットで放送されると、一番いいんですけれど、なかなか難しいかなあ~~
>後半は若い人達のストーリーは先読みできそうで、むしろ両親たちの不仲関係に視線が移り、彼らと主人公達との気持ちのふれあいが良かったですね。(ギテ父、あんな人もいそうです~最後痛快^^)
主人公の両親って、単なる障害として描かれることが多いのですが、このドラマの親たちは子供たちと深いところで関わり合っていて、ほんとに良かったですね。
>助演陣の豪華さ、力量に比べて、やはり主人公たちはだんだん演技的に息切れしてきた感がしてしまいました。
そうでしたか。
助演陣が活躍し出すと、やはり若手では太刀打ちできない感じになっちゃうのかなあ?
>毎回最初にバラすような場面が入るけれど・・という構成、面白かったですね。日本でカットされませんように~^^
これをカットしてしまったら、面白さ半減ですものね~~
>ドンフン役の彼が途中からSMAPの中居君に見えてきて~笑
言われて見れば、似てるかも!?
最近では「私の恋愛のすべて」に出演されている人なんですが、「1%~」ではヒロイン弟でしたか!
高校生役でしたよね。懐かしい~~
p.s.kirikoroさんがリタイアされた??九厄少年リアル視聴しましたが、私としてはまあまあおもしろく見ましたよ~~。ストーリーに深みはなかったけど・・・ただサムチュンちょっと気持ち悪かったです(爆)
ではまた~~あんにょん!
このドラマ、たぶん、たいていの人が期待せずに見始められたんじゃないかと思うんですが、引き込まれるドラマでしたね。
yumi さんのコメント、みんな同感です!
ほんと、面白かったですよね。
yumi さんは「九厄少年」もごらんになったんですね!
面白かったんですか!?
残念なことをしたかな、とも思うんですが、どれかをリタイアしないと、どうしても時間的に無理ですしね~~
また、面白かったドラマの感想など、お聞かせくださいね♪
BSで観ました。カット版でしょうかね〜
ストーリーに無理がなく楽しく最後までみれました。
確かに、はじめはジャミンのドタバタ感がちょっとうーん😥と思ってましたが、だんだん慣れてきて、むしろ人柄の良さに納得していきました。
コン・ジテのオンマにラスト泣けました。
好みとしては、恋愛ばかりのドラマは退屈に感じてしまい、あとコン・ジテにはまれなかったのが残念ポイントです。
今、「ホグの愛」見てます。おもしろいです。チャン・ウシクでしたっけ❓前から上手な役者さんだなと思ってたので、なんか嬉しいです。kirikoroさんのコメントも楽しみにしてまーす。
BS版はカット版みたいなので、どうなのかなあ~と不安に思っていたのですが、最後まで楽しくご覧になられたようで、よかったです。
>好みとしては、恋愛ばかりのドラマは退屈に感じてしまい、あとコン・ジテにはまれなかったのが残念ポイントです。
それは少し残念でしたね♪
「ホグの愛」はじつは、視聴予定とか言いながら、他の録画と時間が被ってしまい、今回は断念したんですよ~~
こちらをあきらめて録画した映画は面白くなくて途中で挫折、残念なことをしちゃったかなあ?
まるゆなさんも、面白くご覧になられているようですし、次の機会にはぜひ見たいと思います♪
期待通り、しゃれた恋愛ドラマでした。クライマックスシーンを冒頭にドーンと放送する構成は毎回楽しめましし、主人公の両親が2組とも事実上破綻している夫婦という設定も最後まで生きていて、ありがちな疑似恋愛ストーリーを一味違うドラマにしていたと思います。
キム・ヘスを始め、助演陣は実力者揃いでいうことなし。主人公も二人ともよかったです。ヨン・ウンジは、「男が愛する時」「アラン使道伝」の2番君を演じていた時から、わりと好きな俳優さんでした。ちょっと地味めなお顔なので、主人公を任せられる俳優になるとは思わなかったですが・・(笑) そして、そして、とってもかわいかったハングル! 初見の女優さんですが、キャラにぴったりでファンになりました。彼女の存在がこのドラマを魅力的にしている大きな要因だと思います。でもハングルさん、昨年結婚されて、つい先日、妊娠も発表されましたよね。ドラマで再見するのは、しばらく無理かな・・・。
>ありがちな疑似恋愛ストーリーを一味違うドラマにしていたと思います。
本当にそうでしたね♪
>ちょっと地味めなお顔なので、主人公を任せられる俳優になるとは思わなかったですが・・(笑)
私は最初に見たドラマがファミリードラマの末っ子役で、これはゆくゆくは主演ラインだ、とと思って見ていたので何も思わなかったんですが、言われてみると、ちょっと地味目ですね(汗)
ハングルちゃんの妊娠発表、ほんとにおめでたい話題ですけれど、ドラマファンにとってはやはり、しばらく見られないのはちょっと残念に思っちゃいますね。
又。一段と成長した姿でお目にかかりたいです♪