ヴェルヴェット・アンダーグラウンド / ユニバーサルインターナショナル
アンディ・ウォーホルのジャケットデザインで有名なアルバム。
表にはウォーホルの名前しか出ていないから、中にはウォーホルって人のアルバムだと勘違いした人もいたかもね。
今回はLPサイズでの復刻。・・・なのに、バナナがシールになっていない!
オリジナルはバナナのところがシールになっていて、それを剥がすとピンクのいたいたしい(?!)バナナの中身が出て来るのです。
ジャケットほどは音の方は知られていないかも知れないけれど、ヴェルベット・アンダーグラウンドは、すごいバンドです。
67年にコレをやっていたとは驚き。
グランジもパンクもすでにやってるのよね、
非常に実験的かつ現代的。
わたしの好みとしてはセカンドの方が!と思っていましたが、繰り返し聞くうちにどんどん評価が上がりますね。
マイナス点は中途半端にポップな曲が入っていること(とくに、ギターフレーズがロックンロール)だったのですが、曲の美しさの方に耳がシフトしてゆきます。
とは言っても、ニコはやっぱりいらないと思うが。
同時代においては時代の象徴のような存在はプラスだったのかも知れないけれど、そのあたりの存在感をまるで知らない私たちにとってはねえ。全曲ルー・リードのボーカルで聞かせろ!と思っちまいます。
私が最初にこのアルバムにであったのはしかし、80年代に入ってからだった。
ニューウエーブだとかオルタナ、パンクが日本で市民権(というほどではないか)を得はじめた時だったので、そのくくりで再評価されていたのだろうと思います。
なんて、最初から大好きだったみたいに書いてますけど、じつは、好きになったのは最近のこと。
若いころはあんまり好きじゃなかった。
たぶん、インテリ臭が鼻についたんだろうな、と思う。
はちゃめちゃなことをやっているくせに、なぜかインテリ臭さがあるように思う。
どこか、枠を外しきれないようなもどかしさ、も、また。
でもね、年齢を重ねると、そういうとこも悪くないように思えて来てね。
それはそれのよさ、と拒否反応を持たずに素直にいいな、と思えるようになっている。
・旧作から
唇は短日処理を施されポインセチアの薄情な赤
零れ散る光の弟(おとと)硝子製帆船の帆を踏んで毀して
十二月のまつさらな朝選びとり凝りはじめるオリーブオイル
Andy Warhol(ウォーホル)のバナナ剥がしてベルベット・アンダーグラウンドの夜は戻らぬ
鵯の鳴いたとこから罅割れる空をどなたか止めてください
さくばんの夢の通奏低音の風力計の音が去らない