「デ・キリコ展」に行って来ました。
しばらく、何だか面白くない絵だなあ~。キリコの絵って、こんなにつまらなかったっけ?と見ていましたが、制作年代を見て、なんとなくわかった。
ほとんどが60年代以降の作品なんですね。
これって、いわゆる自己模倣というやつ?
いかにも彼の絵、というものの中には面白いものが1点もなかった。
あ、これはいい、と思ったのは40年代の作品。
古典的な絵なのだけれど、バックのラインが不可思議で、時間を感じるものがあった。
いいと思ったものの画像はないけれど、39年ごろの製作と年代推定されている絵がチラシに載っていたので、それをアップしておきます。
オリジナリティは感じないけれど、力だけはちゃんとあるでしょう?
要するに、有名になった作品群のあと、作風を変化させて行ったのだけれど、
評判は芳しくなく、お金になる、前期の作品の自己模倣に陥ったことじゃないのかなあ。
それにしても、キリコの絵を1点も知らない人がこの展覧会を見て、デ・キリコってこんなんだ、と思っちゃあ、不幸だと思うぞ。
それにそれに!(文句を言い出したら止まらないらしい)あの、説明文は何!
全く意味が通じてないと思う。訳の問題なんだろうか?
あの説明を書いた人に、ご自分で意味が分かっているのかと聞いてみたい。
そのまま帰るのも癪だなあ、と思って、パルコのタワーレコードに寄って、中世とルネッサンス期のCDを買って帰りました。(ああ、思わず散財!)
CDについては聴いてから、ゆっくりアップします。
説明文は学芸員の責任ですよぉ。絵の選び方も、
作者のどの年代に焦点を当てるかによって印象が違いますから、
デ・キリコ展と銘打ってるのなら、少しずつでも各年代を揃えて、
きちんと解説すべきです。(といって私は見てないから生意気言えないのですが・・・)
キリコは一点だけを見る方がインパクト強いと思います。
「ヘクトールとアンドロマケー」をはじめてみたときはがつんときましたもん。
うんうん。行けなくって、正解かも。
大原美術館のあの作品みたいなのは、来てなかったですから。
だいたい、今回の展覧会は各地の絵を集めるのではなく、
>本展は、デ・キリコ夫人イザベラのコレクションを管理するジョルジョ・イーザ・デ・キリコ財団の全面協力のもと、同コレクションより選び抜いた新形而上絵画、古典的写実絵画の油彩を中心に、素描、彫刻を含めて110余点で構成するもので、デ・キリコ芸術の真髄にふれる絶好の機会となるでしょう。
(Sankei Event InformationのHPから東京大丸ミュージアムの説明文の抜粋)
となっていますので、ひょっとして、質より量?と思ってしまいますね。