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 韓国ドラマ中心のブログです。ネタバレ内容を含むコメントはあらすじの「きりころじっく3」の方にお願いします。


by kirikoro
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チョン・ジョンミョン、イ・サンヨプ出演の「マスター・ククスの神」


マスター・ククスの神(마스터-국수의 신)   ☆☆☆
チョン・ジョンミョン、イ・サンヨプ出演の「マスター・ククスの神」_d0060962_05122970.jpg
2016年KBSの水木ドラマ、全20話(私はKBSワールドで見たので20話でしたが、日本では基本、全24話に編集されているようです)
演出 キム・ジョンヨン(「アイアンマン」)、イム・セジュン
脚本 チェ・スンデ
出演者
チョン・ジョンミョン(ム・ミョン役)、チョ・ジェヒョン(キム・ギルド役)、イ・サンヨプ(パク・テハ役)、チョン・ユミ(チャ・ヨギョン役)、 コン・スンヨン(キム・ダヘ役)、キム・ジェヨン(コ・ギリョン役)
原作はパク・イングォンの同名漫画
最高視聴率は9.0%(AGBニールセンによる)

幼い頃に両親を殺された男が麺作りの腕を磨き、仇に挑戦する壮絶な復讐劇を経糸に共に施設で育った仲間たちの過酷な運命と友情・愛が描かれます。

*このドラマのアンケートを作りました。
ご覧になった方々に参加していただけると嬉しいです。





主人公は、両親を殺し父の人生の全てを奪った男への復讐に燃えるのですが、彼自身もまた、父の命を奪った男に執拗に命を狙われることになります。
演じているのは「キツネちゃん、何をしてるの?」「栄光のジェイン」のチョン・ジョンミョン
そして、影の主役とでもいうべき存在が主人公の友人テハです。
チョン・ジョンジョンがストーリー上の主役とすれば、彼は視聴者の感情を一番揺さぶる役どころではないかと思います。
彼、友人の罪をかぶって刑務所に入るのですが、出所した際、友人たちみんなにのっぴきならない事情ができ、誰も迎えに来ない、というシーンがあるのですが、ここでもう、彼の運命に暗雲が立ち込めているのね。
序盤から、暗い未来しか見えない彼にはほんとに心を痛めました。
演じているイ・サンヨプは「チャン・オクチョン」「愛してもいいんじゃない」などに出演している人。

そして、このドラマの悪役は子どもの頃から嘘ばかりつき、物ばかりか人の人生までも盗んでしまう男。
人を殺してもなんとも思わない感じの極悪人なんですが、彼を演じているのは「チョン・ドジョン」などに出演しているチョ・ジェヒョン
善人も悪人も演じる人ですが、悪人を演じる時はほんと感じの悪い人に見えるんですよね~
彼の青年期はB1A4のバロが演じているんですが、得体のしれない感じが上手く出ていたと思います。

原作漫画の作者パク・イングォンは「銭の戦争」や「野王~愛と欲望の果て~」、「レディ・プレジデント~大物」の原作さとしても知られる韓国では人気の漫画家です。

全体的にかなり暗い目のトーンの作品で、そういう場合、サイドストーリーで明るい物語などが挟まれることが多いのですが、このドラマではその他の物語もみんな暗いんですね。
そのため、息詰まるような展開が続くのですが、その分緊張感の持続するお話だったと思います。


(story)
子供の事からうそつきで人を真似することには天才的だったギルド。
青年時代には暴力的な父を殺し、身分を偽装して生きていたのですが、盗みを働いている現場を見られて殺人を犯し、指名手配されてしまいます。
山へ逃げ込んだギルドは人との関わりを断ち、ひたすらククスの味の完成に賭ける男ジョンテと出会い、そこに住まわせてもらいながらククスの作り方も教えてもらいます。
ある日、町へ出て、自分の家にいるのが指名手配犯だと知ったジョンテは何も言わずにギルドを置き続けていたのですが、彼が持ち帰った指名手配の似顔絵を見てばれたことを知ったギルド、ジョンテを山菜取りに連れ出し、がけから下った男のロープを切って突き落とし、逃亡します。
ギルドが次に盗んだのはジョンテの人生です。
ジョンテに成りすまし、ジョンテが完成させた宮廷キジそばのレシピを手に、ククスの老舗店に入り込み、そこの娘と結婚して後継者になることに成功します。

がけから突き落とされたジョンテの方は命を取り留めたものの、記憶を失ってしまっています。知能にも障害を負ってしまっているようですね。
やがて助けてくれた女性と結婚し、息子を授かり、月日は流れます。
彼らの息子の小学校入学を前に、町に出て行くことを考えるジョンテの妻でしたが、ある日たまたま古新聞の写真を見て「キム・ギルド!」と叫ぶジョンテ。
ジョンテ妻は写真の人物を訪ねればジョンテのことが分かる、とジョンテの名を名乗り宮楽園の主人キム・ギルドを訪ねます。
ギルドはジョンテのことを昔世話になった友達だ、と言って安心させてジョンテの家に出向き、毒草で動けなくしたうえで家に火をつけ、ジョンテと妻を焼き殺してしまいます。
ジョンテの息子は何とか逃げ出し、自ら養護施設へと向かいます。
名前もわからないふりをしてム・ミョンという名で生きることにするジョンテの息子です。
施設ではヨギョン、テハ、ギリョンという友達ができ、過酷な環境に耐え、間もなく高校を卒業、という時期となるます。
ミョンは自分の親を殺した男の顔の記憶と、母の言っていた有名なククス店の主人という事だけを手掛かりに、各地のククス店を食べ歩いては男を探しています。
そんなある日、私設辺のボランティアとしてやって来るギルトと思いもかけず再会するム・ミョンです。

ギルトもまた、ム・ミョンを探していたのね。
施設の延長がム・ミョンがギルトの探している子ではないか、と気づきギルトに連絡するのですが、それをたまたま耳にするヨギョン。
ム・ミョンもそのことに気づき、写真を隠したりするのですが、他にも残っているものがあります。それを隠すのがヨギョンなのですが、その過程で延長に性的暴行を受けそうになったヨギョンは思わず延長を殺してしまいます。
呆然としているヨギョンを横目に、自分が罪をかぶり、逮捕されるテハ。
じつはテハの父親、ヨギョンの両親を殺した男の息子だったのね。
テハはヨギョンを守ることが自分の使命だと思っており、彼女に、検事になって事件のことを調べてほしい、と…
ミョンとギリョンもテハの決意に従い、共犯関係になる4人…

ム・ミョンはギルトが親の敵と知った時に彼を殺そうと近づいたこともあったのですが、目の前で彼を刺そうとした男が捕まり、ギルトが恐れていることが金を奪われることだと知ると彼の店に入ろうと計画を練り始めます。
そんな彼はギルトの手下に殺されかけてテハが刑務所から出所する日に迎えに行けず、とギョンとギリョンもまた、のっぴきならない理由で迎えに行けません。
一人、出所後の厳しい現実と向き合うしかないテハです。
そしてもう一人、ダヘという女性もまた、ギルトの店に入ろう、と計画しているようです。
実は彼女、ミョンがギルトを襲おうした時に止めに行ったテハと出会っているのね。
その彼女が叔父さんと呼んでいる男はギルトの手下のようで、テハの父親の知り合いでもあったようで、テハの出所にも迎えに行っています。
彼はテハにギルトの元で働くようにとの提案をしているようですが…

物語はこんな感じで始まり、その後、ギルトに対抗するもう一人の悪人が出てきて、彼もまた、ム・ミョンの友人とからんできたりもします。

ラブラインの方は、ム・ミョンのラインもあるにはあるのですが、とっても薄いラブラインです。
復讐に相手を巻き込まないために余り近づきすぎないでいる、という設定だとは思うんですが、彼らの間に流れるものがあまり感じられなくて…
また、このヒロイン、ヨジョンにはもう一人思いを寄せる男がいるのですが、このラインも薄くて、この設定はいらないんじゃないの?と思えるほどのものでした。
ヨジョンを演じているのはチョン・ユミ
「イニョプの道」や「屋根部屋のプリンス」に出演している方の人ですね。
いまいち存在感がなかったかな~

それに比べ、ラブラインらしいラインはテハのもの。
テハはヨギョンの罪をかぶって刑務所にまで行っているので、最初はこのラインもあるのかと思っていたのですが、ほどなくそれは違う理由だと明かされるのね。
本命の彼女ダヘの方は、ム・ミョンの復讐ラインとも関連のある人物で、ム・ミョンとも近い人物。
出演分量もヨギョンよりも多く、物語的には彼女がヒロイン的な位置にいるのではないかと思います。
演じているのはコン・スンヨン。「六龍が飛ぶ」でバンウォンの妻を演じた姿が印象的だった人です。

そしてラストについて。
復讐もので、悪人は舞台から降りるには降りるのですが、ちっとも爽快感のないタイプのドラマなんですね。
主人公側の払った犠牲が大きすぎるせいもあるけれど、悪役が結局、復讐を果たせない形で自ら幕引きをしたせいもあったと思います。

まあ、これだけ暗い話ですからハッピーエンドになってしまったら、それはそれで、嘘くさくなっちゃうと思いますけど。

こんな感じの話で、もう一度言いますが、ともかく暗いです。
でも、私は相当暗い話だと覚悟して見始めたので「地獄の門が開いた」だとか、復讐のために同じようなモンスターに…なんてモノローグがあった割には大したことないか、と(汗)
特に、主人公と友人3人の関係がもっと隠微な共犯関係になってもよかったかも、なんて思っていました。

とはいえ、このドラマ、何の予備知識もなく見始めたら、ちょっときついかもしれませんね。
知っていて見ていても、苦しすぎて苦手という方もいらっしゃるだろうな、とも思います。
万人向けとは言えない作品かもしれません。


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Commented by とっこさん at 2019-08-28 16:39 x
「ククス」って、韓国の手打ち麵のことなんですね。なんか、韓国の神様の名前かと思っていました(笑)。

人間の底知れぬ悪意を体現したような子供が、初回から登場し、あまりの救いのなさに、精神衛生上よくないような気がして、見るのをやめようかと思ったのですが、見続けています。たしかに、ムダがない筋運びで、引き込まれます。緊張して見ていますね(笑)。

悪役のチョ・ジェヒョンを初めて見たのは、『信義』以降の時代を扱った時代劇でした。その後、彼のセクハラ報道を知ることになり、結構、それが頭にこびりついていたので、このドラマでの、彼の裏のある不気味さと重なってしまい、迫力満点で困ります(笑)。

女性陣は、おっしゃるように、検事をめざす方より、味の追求をしている女性のほうが、設定にも演技にも、個性が感じられます。チョン・ユミは、何を演じても、存在感がもひとつかなあ。

また、味の評論家の先生を演じている女優さん、よくお見かけしますが、彼女の違った意味での迫力がいいですね。

ここに、コメントが皆無なのは、人気がなかったのでしょうか。まあ、人気作品というより、異色の作品というところでしょうか。
Commented by kirikoro at 2019-08-31 09:00
とっこさんさん、こんにちは。

>その後、彼のセクハラ報道を知ることになり、結構、それが頭にこびりついていたので、このドラマでの、彼の裏のある不気味さと重なってしまい、迫力満点で困ります(笑)。

俳優さんのスキャンダルって、多くの場合はドラマへの没入度を下げてしまうものですが、今回は違いましたよね~

>チョン・ユミは、何を演じても、存在感がもひとつかなあ。

私はおっとりとした感じの時のチョン・ユミは好きなんですが、なんだか似合わない役ばかりしているように思います。

評論家を演じているのはソ・イスクさん。
韓国の俳優さんって、善人悪人両方演じる人が多い中、彼女は悪役が圧倒的に多い気がします。
そのせいか、彼女が出てくると、善人であっても悪人化するのを期待してしまう女優さんなんですよ。

このドラマの人気はどうだったんでしょうね?
確かに万人受けする内容じゃなかったんですが、私がこの記事を書いたころって、スキャンダルの真っただ中だったので見るのを敬遠した人も多かったのかもしれませんね。

Commented by とっこさん at 2019-09-24 20:17 x
もう終わりかけています。

娯楽作品として、面白かったです。
チョ・ジェヒョンの底知れぬ恐ろしさは、まさに怪演。彼なくしては成功しなかった作品かも。

ラブラインとしては、テハとダヘが、最後の最後に、線香花火の消えかけの赤玉のようなのが、灯って消えました。それが、なかなか、このドラマには合っていたかと。

恐ろしいストーリーに、恐ろしい人たちばかりなのですが、笑ってしまうこともありました。『応答せよ』でお母さん役をしていた、ジェヒョン妻役の方ですが、ジェヒョンにポンポンと投げつける怖いもの知らずの物言いが、時として、ユーモラスなんです。

彼女が、ジェヒョンの不在中に、彼の手下たちを勝手に全員解雇してしまった時など、「テロがあるわけでもあるまいし」と言ってのける「発想」には、笑ってしまいました。韓国語がわからないながら、あえて、訛りっぽい癖のある話しかたをされているように感じましたが、どうだったんでしょうか。

妻のそんな言葉に、目を丸くして驚きながらも、でも、黙って反応するジェヒョンが、一瞬、どこの家庭にも見られる「妻のお尻に敷かれた夫」を思わせてしまうところに、こんな犯罪ドラマにもあえて、スキをつくっているようで、よかったかなと思います。

ダヘ役のかた、整形と見まがうようなタイプの美貌ではなく、なかなかのナチュラル・ビューティで、演技もうまかったです。テハとともに、犯罪者の子という血に向き合わざるをえないキャラクターを演じきっていました。
Commented by kirikoro at 2019-10-04 08:54
とっこさんさん、こんにちは。

>娯楽作品として、面白かったです。

なるほど、そういう風に見れば楽しめたんですね~
わたしは重々しい所ばかりに気をとられて、ユーモラスなところを捕まえ損ねていたようです。
お書きになっていたところを思い返してみると、確かにそういう場面、ありましたよね!

ジェヒョン妻の言葉は方言です。
釜山とか、南の方の方言で、語頭にアクセントがくる場合が多く、きっぷのいい、多少荒っぽい印象を受ける訛りですね。
この方言、日本語に翻訳されるときには大阪弁で訳されることも結構あるんですが、やはり少しニュアンスは違いますよね。

>チョ・ジェヒョンの底知れぬ恐ろしさは、まさに怪演。彼なくしては成功しなかった作品かも。

ここはまったく同感です。

ダヘ役のコン・スンヨンについても、私も同じように思っていました。
新しいドラマでは「キミはロボット」でヒロインy伯をしていますが、個性的でいい役者さんですね。



by kirikoro | 2018-05-25 05:23 | 視聴済韓国ドラマ | Comments(4)