ボーンアゲイン~運命のトライアングル~(본 어게인) ☆☆☆
2020年、KBSの月火ドラマ、全16話
演出 チン・ヒョンウク(「怪しい三兄弟」「私の男の秘密」)、イ・ヒョンソク(「どうしたの、ブンサンさん」共同演出)
脚本 キム・ギョンミン、チョン・スミ
出演者
チャン・ギヨン(チョン・ジョンボム役/コン・ジチョル役)、チン・セヨン(チョン・サビン役/チョン・ハウン役)、イ・スヒョク(キム・スヒョク役/チャ・ヒョンビン役)
最高視聴率は4.1%
誤解と偶発的な事故により死を迎えた恋人たちとヒロインにひたむきな愛を寄せる男が現世に転生し、またもや縺れた運命を生きることになる転生ミステリーラブストーリー
*このドラマのアンケートを作りました。ご覧になった方々に参加していただけると嬉しいです♪
結婚直前に死を迎えたカップルが転生するわけですから、普通だったらこのカップルが現世でハッピーエンドを迎える、という展開が予想されるのですが、男性主役がツートップとはいえ、チャン・ギヨンの方がより中心じゃないかと思える扱いなんですね。
それだけにどういう形の結末を迎えるのかが予想できないところが注目ポイントの一つではないかと思います。
とはいえ、わたしには話が複雑でわかりにくくギブアップ寸前。チャン・ギヨンのおかげでなんとか完走しました。
星はストーリー自体では二つ、チャン・ギヨンの魅力でプラス1ってところかな?
(story)
1988年。古書店を営むチョン・ハウンは刑事のチャ・ヒョンビンという恋人がいて、4年もの間プロポーズされているのですが、なかなか決心できないでいます。
そんな彼女、心臓病を患っていたのですが、とうとう心臓移植しか助かる道はない、と宣言されてしまいます。
それを偶然知ってしまったのはコン・ジチョル。
彼は継母にひどい虐待を受けて育ち、父親は実は世間を騒がせている”黄色い傘連続殺人事件”の犯人であり、お前も人殺しになる、と吹き込まれ続けています。
そんな、人間扱いもされていないような彼に差し込んだ光が聖堂で夜学の教師をしていたハウン。
自分に生きる希望を与えてくれたハウンに一目ぼれしたジチョルは彼女をずっと陰で見守っていたのね。
心臓移植をしようにも、心臓の提供を受けることが難しいと知った彼は近所の、息子を虐待死させた女のもとに行き、彼女を殺してしまいます。
ところが、その直後にその光景を目撃して倒れてしまうハウン。
ジチョルは彼女を病院へと運ぶのですが、ハウンの証言により、逮捕され、”黄色い傘連続殺人事件”の犯人だとされてしまいます。
ジチョルは目撃された事件のみ自分がやったと認めるのですが、事件を担当している刑事のヒョンビンはハウンが危険にさらされていると思いジチョルが犯人だと思い込んでいます。
ハウンは彼がそんな悪人だとは思えず、ジチョルに面会に行き、偶発的に殺してしまったのでしょう?と尋ねるのですが、彼が、殺そうと思って殺したのだし、公開もしていない、というのを聞いて幻滅。
裁判で彼が殺すところを目撃したと証言し(目撃したのは救急車を呼んでいるところのはずなのですが)彼は精神疾患があると判断され監護施設に送られます。
ところが、そこで自分の血液型がハウンと同じだと知り、自分の心臓を彼女に捧げようと施設から逃げ出します。
彼が向かったのはハウンとヒョンビンが結婚式を挙げる教会で、鉢合わせる3人。
ジチョルがハウンを殺しに来た、と思ったヒョンビンは彼にナイフを持って立ち向かうのですが、揉み合っているうちにジチョルがヒョンビンを刺してしまい、ヒョンビンは命を落としてしまいます。
それを見たハウンはその場で倒れてしまい、ジチョルはヒョンビンの銃で自殺…
時は流れ、2020年。
ハウンとヒョンビン、ジチョルはそれぞれ法医学の教授のサビン、刑事のスヒョク、医大生のジョンボムに転生して再会。
再び3人の運命が交差し始めます。
一応こんな感じなのですが、1988年の3人の迎えたラストはその後、いろいろ違う場面が出てきて、何が真実なのかはよくわからない感じなんですね。
過去・現在に加え小説の内容やヒロイン父の妄想(?)らしき映像が別のストーリーみたいで、かなり混乱させられます。
正直、無駄に頭を混乱させられてしまう感じだったんです…
そのうえ、最後まで見ても私には結局事実がどういう流れだったのかがつかみきれませんでした。
脚本に関しては他にも、ジョンボムがサイコパスだという噂を出すためだけに登場したような女子学生たちがいたり、とあちらこちらで不満があります。
ラスト近くには、ハウンとヒョンジンの間に衝撃の隠された事実があったことが明かされるのですが、突然こんなところでこんな話を持ち出されてもねえ…といった感じです。
出すなら出すで、ちゃんと伏線を敷いておくべきなんじゃないの?なんて思ってしまいました。
また、主役陣の役者さんたちもどうしてこの人たちを使ったんだろう、という疑問が…
主役陣はそれぞれ、過去の人格と現在の人格、現在の姿でありながら過去の人格、過去と現在両方の記憶を持つ人物、とそれぞれ複雑に違った表情を演じ分けないといけないキャラなのですが、チン・セヨンとイ・スヒョクは正直、あまり演技力のある俳優さんではないと私は思っているんですね…
また、わたしはチャン・ギヨンの魅力、かすかな表情の動きで感情を表現するところ、でこのドラマを見続けていたわけですけれど、彼にしても、その魅力が2020年の彼の役とは相反する部分なんだと思うんですよ。
そのせいで、ますます頭が混乱してしまったように思います。
なんだかいろいろ迷走した感のあったドラマでした。
実はこのドラマの最高視聴率は初回で出した数字で、回が進むに従いどんどん下落していったんですね。それもわかる気が…
でも、筆力のある脚本家さんと演技力のある俳優さんたちで作られていたら面白かったかも、とも思うんですよね。
ちょっと残念な作品でした。