*原書は『어처구니 이야기』という題で
第11回2005年<黄金おばけ賞>絵本部門という賞を受賞しているようです。
記事のタイトルの(어처구니 없다=オチョグニオプタ)=オチョグニがない」とは、辞書を引くと「あきれる」だとか「とんでもない」という意味が記載されていますが、そもそも、「어처구니」って何でしょう?
語の由来はいくつかある感じなんですが、この本で紹介されているのは屋根の上のオチョグニ像にまつわる話。
イメージ検索すると、ぞろぞろ出て来ますね。
(このオチョグニ像、中国や韓国ではよく見られるのに、は日本の建築物には入って来なかった文化だそうです。何ででしょうね。中国韓国でポピュラーなのに、日本では受け入れられなかったもの、というのは私の最近の興味対象のひとつなので気にかかります♪)
中国由来の、禍から守るための呪術的意味合いを持つ像のようですが、韓国では、それが、『西遊記』の三蔵法師たちの話とまじりあっているらしく、孫悟空や猪八戒などの韓国名で呼ばれたりしているようです。
この本は、そういった話を下敷きに作られた創作民話のようですね。
わたしの感覚では、日本の絵本では『じごくのそうべい』に似たテイストの絵本だと思います。
主人公たちが、どちらかといえば、それまでは困りものであったそれぞれの特技を持ちよって、手ごわい化け物に立ち向かうという話です。
『じごくのそうべい』では、主人公たちは無事(?)地獄から追い返されましたが、さて、この絵本のオチョグニ達は…。
お話も面白いですが、ビジュアル的にも素敵です。
木版画(あるいは木版画調の絵)なんですが、中には、古い時代の絵や工芸品の写真などをコラージュしているものもあって、これが、いいんですよ。
たとえば、高句麗時代の古墳の有名な壁画、「舞踏図」や「狩猟図」などが使われています。
よかったら、ぜひお手にとってご覧ください♪
*어처구니の由来について、KBSワールドの「ピンとくるドラマ韓国語」では、別の説が紹介されていました。
ちょうど今、わたしが再視聴している「タルジャの春」の5回目です。