抵抗といふより摂理 旧仮名に咲くあぢさゐのあをのむかうは
多様なる漢語を持ちて語られる 枯山水とは概念の庭
養分を拒否することばを閉じ込めた六法全書はそれが正しい
濁点をもたぬ時代の濁音のにごり切れない泥水に住む
外つ国の言葉に宿る言霊が上唇を擦つて行つた
くちびるを出づる強さに分かたれた 타(タ)・ 다(タ)・ 따(タ)音の隊列がゆく
流音化する「韓流(한류)」に口蓋を求めてやまぬ舌先の花
한 켤레(ハンキョルレ) 두 켤레(ドゥーキョルレ) 靴下を箱詰めにするぐらいが何よ
幸福を遠ざかりゆく喉の奥(もう鼻の領域かもしれぬ)
柚子茶からのぼる蒸気に湿らせる鼻腔は昔話を好む
くちびるを出づる強さに分かたれた타(タ)・다(タ)・따(タ)音の隊列がゆく
*題詠100首用のブログはハングル表示ができないので、こちらから。